2010年07月17日

ハマのメリー 〜真っ白な娼婦〜




私が10代の頃、横浜の伊勢佐木町や関内が生活圏でした。
その伊勢佐木町で、2〜3度みかけた老嬢。


それが、" ハマのメリーさん”



背の低い、おばあちゃんで、そのしわしわの顔は、
真っ白におしろいが塗られ、フワフワのフリルのドレス姿で、
いつも、ベンチにうなだれるように下を向いていました。


「あれが、有名な娼婦、メリーさんだよ。」と、聞かされていました。
メリーさんは、終戦後、進駐軍兵士相手の娼婦だという噂でした。


本当かどうか、分からない噂ばかりが流れ、
結局、誰も本当のメリーさんの事は分かりませんでした。


伊勢佐木町に出没するメリーさんですが、
いつも、いるわけではないので、
メリーさんを見た日は、なんか特別な気がしたものです。

メリーさんの周りには、ゾクッとするくらいの空気が流れ、
一度、そのお顔を見ると、瞳をずらすことが出来なくなるほどの
迫力がありました。


その後、人知れずメリーさんは姿を消し、
横浜に住む、私たちの記憶から薄れていきました。



このメリーさんを15年間演じ続けている1人の女優さんがいます。(五大路子さん)

今年は8月13日・14日・15日・16日の全5公演が予定されていて、
(みなとみらい・赤レンガ倉庫1号館3階ホール)

この講演に先駆けて、赤レンガ倉庫では、
横浜在住の写真家、森日出夫さんの写真展が行われていました。


タイルの壁面一杯のメリーさんと、私は、久しぶりに出会いました。


10代の頃、どうして、メリーさんが、あそこに座っているのか?
なぜ、化粧を落とすことは無かったのか?

なんて、メリーさんの気持ちなんて、考えもしない程、幼かったわたし。



しかし、今になって、

何故、メリーさんは、あの姿で座っていたんだろう?
・・と考えずにはいられません。



戦中、戦後を命がけで生きた女性として、何を考え、何を想っていたんだろう?

終わったはずの戦争の残像を引きずっていたんだろうか?

変わっていく横浜の風景を、どんな気持で見ていたんだろう?




今、そう考えることはできますが、

今でも、私にはメリーさんの想いを
正確に理解はできていないと思っています。


メリーさんは、そのたたずまいそのものが、横浜の風景でした。



▼写真展を撮影

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posted by yoko.goto at 22:04| 神奈川 ☁| 横浜のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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